ozeppi@三次元出張所

Webアプリケーションエンジニアとして三次元に長期出張中なのでそのへんについての話題を書くところです

「クラウドファンディングはアニメーション業界をどう変えるのか」に参加してきました

クラウドファンディングはアニメーション業界をどう変えるのか 〜先駆者が語るクラウドファンディング活用の仕方〜

上記イベントに参加してきたので、それのレポートと感想を書きます。

 

レポートの構成

  1. Webアプリケーションエンジニアな自分がどういう経緯で参加するに至ったか
  2. イベント第1部 各事例、サービス紹介(Production I.G 鈴木哲史さん
  3. イベント第1部 各事例、サービス紹介(CALF 大山慶さん 
  4. イベント第1部 各事例、サービス紹介(Anipipo 平皓瑛さん
  5. イベント第2部 パネルディスカッション

 

Webアプリケーションエンジニアな自分がどういう経緯で参加するに至ったか

アニメを現場で作っているクリエーター様方にもっとお金をもらってほしいなと思っていて、今あるBDやグッズを買うといった方法でそれが難しいのなら、例えば株を買って好きな会社を応援するような感じで、ある作品が創られるということ自体にお金を払いたいなと常々思っていました。

そんな時にAnipipoはアニメのためのクラウドファンディングの記事を読んでAnipipoの存在を知り、うわーまさにこれだよーこれが流行る世界こいと思いながら事前登録をしました。

そして今回そんなAnipipoさんも話にあがるイベントがあると知ったので参加してきたというのが経緯です。

 

イベント第1部 各事例、サービス紹介(Production I.G 鈴木哲史さん

kickstarterというクラウドファンディングを利用してKICKHEARTという短編アニメを創ったお話でした。
kickstarterの簡単な紹介から、どういう体制で臨んだのか、30日間の募集期間を終えるまでのこと…といった内容です。
 
以下興味のあったメモのコピペです。
 
Amazon Payment使って支援者の口座から引き落とされる
最終的に引き落としに失敗する可能性があるって話があったのは、口座引き落としだとクレカみたいに与信とれないため、と理解。
大口の支援者がうっかりさんで引き落とせなくて、目標金額達成のはずが達成できなかった事件とか無いのかな。
また与信とれないと口座に金額無いのに虚偽の支援とかできそうだけど、その辺は海外ノリでまぁその時考えようって感じなのか、何かうまい仕組みがあるのか。
どちらにしろkickstarterのサービスの話で、今回の趣旨からは逸れるのでいったん気にしないことに。
 
goal達成時は期間終了時に約束された金額が支援者から引き落とされるが、それまで支援金額の増減ができる
15日間 or 30日間 or 45日間、全ての期間で判断されるのはなかなかシビアなものの、常に見ている目があるのでいい環境だなー
 
追加支援ではPaypalも使った。

一気に集まった時はkickstarterの公式ブログで紹介された、ですごい人集まってきたのでreward(支援者への支援額に応じた見返り、少額だとポスター、BD買えるくらいの額だとBD+α、高額だとI.G見学とその費用持ちとかのVIP待遇?)をそれにあわせて更新した。
30日間の期間、毎日kicktraqというanalyticsツールを見たりSNSの動向調べて、rewardをリアルタイムで調整した。
 
ユーザが求めてるのはエンタテイメント
ストーリー大事ってことだと理解。一緒に創り上げたんだという実感のような。
 
初日から数日は順調に支援者が増えていったが、その後スランプに陥ってた。
原因はノリにのってRewardにすごい高額な支援が必要な見返りを設けたり、種類増やしたらやりすぎたみたいでユーザから反感かった。
あと目標以上の額が集まった時のメリットがアニメーション+10分は少なすぎなんじゃねって意見。
(細かい数字覚えてないですが、その額なら+20分とかL30分できる計算じゃない?とかいう意見)
 
そのスランプにどう対処したかというと、やりすぎたrewardは消した。
 
感想
逐次ユーザの反応を見ながら行動を変え、行動をおこしていくのは最近僕らの身近でよく聞く話と一緒だなと。
あとkickstarterってWebサービスが中心にいたせいだろうけど、アニメ業界の話なのにすごく身近に感じられて大変楽しかった。
 
イベント第1部 各事例、サービス紹介(CALF 大山慶さん
今度は日本での事例、CAMPFIREを使った。

CAMPFIRE使ったのはよかったけど、結局パトロンになってくれたのは既にファンの人達で、CAMPFIREを活かせたのか?という反省点がある。
 
感想
CAMPFIRE、手数料20%、結構とるなぁ。
かつパトロンの人へのリターンにも費用が必要なので、制作に使える額は半分くらいになったりする。
個人的に、応援したいと思うほどの作品なり人なりだったら、そのリターンいらないから制作に使ってくださいと思いそう。
 
イベント第1部 各事例、サービス紹介(Anipipo 平皓瑛さん
クラウドファンディングは資金調達だけでなく、プロモーション、ファンの声を直接聞く場としても活用できるんだよと訴えかけたいとのこと。
 
感想
確かに、支援者の間で盛り上がってその影響で更に和が広がったりと、金銭以外の支援が出来る場になるとすごくよさげ。
例えばMAD作って宣伝したりとか。
 
パネルディスカッション
一部Questionがあやふやで間違ったことを書きそうなので、Answerだけ書いているものもあります。
 
Q.結局元からファンだった人しか集まらないのであれば使った意味はあったのか?と言っていたCAMPFIREだけど、そこのところはどうだった?
A.何だかんだよかった、フィードバックもらえるのがうれしい、直接コメントをもらえるのがうれしい、それにサービスが始まってすぐ利用し、自分達としても初めての試みだったので次はもっとうまくやりたい(大山さん
 
Q.クラウドファンディンで得られた資金は必要な費用と比べるとどれくらい?
A.何だかんだで全体にかかる費用の極一部(I.G、CALF共に

I.Gのkickheartの次は、またクラウドファンディンを利用するよりはビジネスパートナーを見つけて発展させていく段階。(鈴木さん
 
Q.海外でクラウドファンディンがあるのに、更に国の助成金があるのは何故なんでしょう?
A.海外と言っても、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、カナダなどで結構違う。ヨーロッパは元々アートに対してお金を払うという文化があり、そのため国の助成金があるのでは?カナダも助成金がしっかりしてる。アメリカはクラウドファンディンとか。(平さん
 
スタートアップのように何かを新しく始める時はクラウドファンディングを利用してスタートを切るのはありそうだが、今商業として成り立っている1クールものアニメのようなもので利用するのは現段階だとちょっと想像できない(鈴木さん
 
感想
今商業として成り立っちゃってるものの一部を置き換えるのも難しそう、というのが僕としては印象深かったです。
理想はそうなのだけど、BDなどの実体を伴わない作品に対して多額のお金を出すのは難しいのかなぁと。
ただ、鈴木さんが仰っていた「ユーザが求めているのはエンタテイメント」のように、演出次第で結構いける気もするので、特定の分野に特化したクラウドファンディングはそこが肝なのかなーと思いました。
 
全然違う業種なようで、実はWebサービスを通じて繋がっていてすごく身近な感じでよかったです。
クラウドファンディングだからでしょうけど、決済の話も結構出てきて、入社以来3年ずっと課金、決済系のことをやってきた僕はテンション上がりました。
 
参加してた方はアニメなどのコンテンツ業界の方と学生さんが多いようでした。
コンテンツ業界の方にはファンとしてお世話になってます!的な感じでこれまたテンション上がりました。
ラノベ読んだりアニメ見てます!
 
とそんな感じで、すごく良いイベントでした。
アニメ好きで何らかの形でアニメを応援したいなーと思っていてまだAnipipoに登録していない人は登録すると良いと思います!
開催側の皆さん、登壇者の皆さん、他の参加者の皆さんありがとうございました。